霊感腐女子 ~怖い話 体験談~

聞いた話だし真偽は不明だけど、いくつか投下してみる。

大学のサークルで仲良くなった、後輩の腐女子から聞いた話。

俗に言う、視えるタイプらしい。

中学生のころ、初デートで映画館に行った。

ホールに入る瞬間から「何かいるな…」と思ったが、

横にいる男の手前もあり、よくあることなので(ねーよ)黙っていた。

モノは某巨大客船沈没映画。長い上につまらなかったが、

彼に気を遣って、必死に眠気と戦っていた。

しかしいつしかウトウト船を漕ぎ始め、ぼぉーっとしていると、

突然、館内中を揺らすような大音量で哄笑が響き渡った。

何事かとスクリーンをみると、

髪の長い女がデカデカと映し出され、白目を剥いて嗤っている。

半分寝てはたが、さすがにこれは変だ…と視線を落とすと、

前方の客席。座る客の全員が、

彼女の方を向き、同じ白目で嗤っていた。

そのすぐ直後、みながスッと前を向き、映画は何事もなく本来の物語に戻ったという。

「前の人、首が360度まわってたような気もするけど、さすがにそれは夢かも」

ちなみにこのとき一緒にいった男とはすぐ別れたそうな。

彼もまた、同じ顔で嗤っていたのが忘れられなかったから。

背伸びをしてタイ○ニックなんぞ見に行った私への、エヴァ様の祟りだと笑っていた。

俺が知る限り、庵野監督はそこまで人間辞めてない。たぶん。

同じ霊感腐女子(小野大輔は総受け)から聞いた話。

「地元にいたころ限定で」らしいが、人死や凶事の前兆が視えることがあった。

よく火事のある家の屋根に赤い旗が立つ、なんて話があるが、

その類かと問うと、ちょっと違うらしい。

曰く、「不幸のある家の戸口には、黒いお坊さんが立つ」

身の丈2mほどの長身で、傘を被った僧形の男(?)が、ゆらりと佇むのだという。

そしてソレは、ひどく影が薄く、「顔が無い」。

「傘被ってるなら、男女なんか解らないし顔も見えないじゃん」そう突っ込むと、

「解る解らないじゃなくて、アレは顔が無いっていう、そういうもんなの」だそうだ。

不気味ではあるが、いまいち意味不明だった。

ちなみに彼女の祖母も、かつては同じモノが視えていたという。

ある日、隣近所すべての戸口に黒い僧がゆらゆらと立っており腰を抜かしたそうな。

その翌日、町が空襲にあったという…

蛇足だけど、

たまたま泉鏡花の「海異記」を読んだところ、ちょっと似た内容だった。

なんとなく気になって「鏡花知ってるか?」と確認したところ、

「純文はこころ以外よくわからん。アレは良いBL」

…だそうだ。

同じ腐女子(ルルーシュにキュンキュン)から聞いた話。最後。

高校の卒業旅行という題目で、仲の良い男女何人かのグループで中国に行った。

そのときの体験談。

仲間内にひとりバイリンガルな娘がいたことと費用の関係で、

パック旅行ではなく、なかば行き当たりばったりの計画で現地を巡った。

最初の数日は都心を見物していたが、やがてそれにも飽き、

車を借りて、万里の長城をメインに遠出をし始めたそうな。

その帰り道。

何処をどう間違えたのか、道に迷い、寂れた田舎町に辿り着いてしまった。

全員かなりテンパっていたが、時刻はまだ夕方。

バイリンガルさんが訛りの強い言葉に苦戦しながらもなんとか道を聞き出し、

無事、帰路につくことができたという。

しかし、彼女はその間じゅう、車内でずっと震えていた。

「何があったん?」問うと、

「そこの人たち、みんな腕が3つあったり、足が一本足りなかったり、頭がふたつあったり、

 とにかくメチャクチャの畸形に視えたんよ。流石にヒいた。あんなの初めて視た…」

とのこと。

今か昔か知らないけど、共食いでもしてたんじゃないの…と彼女は結んだが、

いくらなんでもそりゃないだろう、と笑うに留めておいた。

インパクトのあった話はこのくらいかなあ。

初書きなのでヘンだったらごめん。

俺としては、中学でカレシ作って卒業旅行で友達と海外いっちゃうようなリア充のこいつが、

土曜夜の文化放送をメールで実況してくるほど重度の腐女子であるという事実の方が、

若干、怖いのだけど。

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