・・・これは、わたしが小学校に入る前です。
髪を切りに、某美容室へ行きました。
そこには、初めて行くところで、入った感じにもちょっと怖かったです。
やがて、わたしの番が回ってきて、切り終わり、母がやってもらっていたところ。
棚に練習用のマネキン(首だけ)がたくさん置かれていました。
年期もあるのか、ところどころ顔の部分が、はがれていました。
わたしは、「まあ、きれいな、お人形さん」と呟きました。
すると、お店の人が
「触るのもいいけど、あまり触ると、今夜来るわよ?」
と笑いながら言っていました。
そういわれて、わたしは、すぐさまマネキンを置きました。
その夜です。
わたしは、突然目が覚めたのです。
「誰かわたしを見てる・・・」と感じました。
体も動かなく(俗に言う金縛りってやつです。)恐怖感が上昇しました。
ふと、冷や汗が走りました。
直感が走ったので、縁側を見ました。
すると、そこには、今日触ったマネキンの姿がありました。
ガラス越しなので、目もはっきりとしていました。
その首だけのウェーブのかかった女のマネキンが笑いながら言うのです。
「・・・ふふっ・・・」
首を宙に浮かせながら、わたしを見ながら笑うのです。
その瞬間金縛りがとけて、怖くて怖くて、母をゆすり起こしました。
「お母さん!助けて!今日触ったマネキンがわたしを見てる!そこにいるの!
ガラスにぴったりくっついてるの!はやく!おきて!」
と半分錯乱状態になっていました。
「何を言ってるの?マネキンなんかいないじゃない。寝ぼけてないで、早く寝なさい。」
というのです。
「本当だよ!信じて!」
と、あまりにもわたしがしつこく言ったので母は呆れながら、
縁側の方へ行き
「ほら。いないでしょ?」
と干してある洗濯物を指さし、「此れがそう見えたんじゃない?」
と一言。
でも、わたしは見ました。
母の横後ろにマネキンが大きな口をあけて笑っているのを・・・
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