昔、聞いた事があるお話です。
ある海沿いの道路があった。
二車線道路で海岸線に沿ってクネクネ曲がった道である。
夜は月明かりに照らされた海が綺麗で交通量も少ないので
眺めに気を取られると結構なスピードが出てしまうので事故も後を絶たなかった。
いつの頃からか「月明かりの綺麗な夜は轢き逃げにあった老婆の霊がさまよっている」との噂が流れ始めた。
そんな事を知ってか知らずか一組のカップルが深夜「海を見よう」ドライブをしていた。
女「わー…キレー」
男「君の方が綺麗だよ…」
女「またまたぁ」
男「冗談はさておきホント綺麗だね」
女「うん、でもさ、こういう日ってここ出るって噂あるんだよね…」
男「聞いた事ある…。でも噂だろ?」
女「だよねー…キャっ!?」
男「うわっ!なんだ!?あれ!?」
カップルの視線の先には道路の真ん中で老婆が一人佇んでいる…。
女「あれ、ヤバイよね!避けようよ!」
男「あれが噂の幽霊か!!おもしれー!突っ込むぞ!」
踏み込むアクセル。
次の瞬間。
ぐわしゃっ!!!
なんとおばあさんは普通の人でした。
夢遊病で夜中に徘徊する癖があったそうです。
それから…。
月明かりの綺麗な夜は本当に老婆の霊がさ迷うようになりました。
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