中学3年の頃に曾祖母が亡くなったのだが、葬式に行くには北海道に行かなければいけなかった。
しかし、私は高校の入試試験があり、両親だけが北海道に帰り、私は一人で東京の家で留守番。
留守番初日。朝方の四時過ぎに目を覚ました。
私の部屋はベッドがあって、
調度ベッドの足元の位置に全身が写るサイズの大きな鏡と、鏡の上には壁掛け時計がかけてあるので、
目覚めたら時計に目をやる習慣があった。
いつもより早く起きたなと思い(いつもは朝の7時起き)、二度寝をしようと試みたのだが、
何故か部屋の空気が凍りつくように寒い。
そして身体が動かない。これが金縛りか?と思うくらい全く身体は動かなかった。
幸い目だけは自由に動かせたので、布団の中から辺りを見回したが何もなく、
霊感がないにも関わらず、何故か何かいるような嫌な気配は感じた。
そんな嫌な気配と金縛りとの格闘から15分が過ぎた時かな?
ベッドの足元の位置にある鏡の中に、緑色の花柄の着物らしき物をかぶるように着たカタマリが通り過ぎた。
鏡の中の着物は、激しい風でカーテンがヒラヒラと乱れて動くような感じの動き方だった。
一瞬の出来事だったが確かに鏡には映っていた。
その物体が過ぎたあと、何故か金縛りも嫌な気配も消えて、その日は眠れた。
後日、両親が葬式を終えて帰ってきた時に、留守番中に鏡の中に緑の着物が映っていた話をすると、親はビックリ。
曾祖母の遺体には最後、気に入っていた緑の花柄の着物をかぶせて出棺したらしい。
あまりの偶然の一致に、曾祖母が最後に会いに来てくれたのかな?とそんな話をしつつ、
私は「お腹がすいた」と話題を変えた。
すると突然、固く閉ざされた食器棚の扉が人の手で開けたかのように綺麗に開いた。
まるで透明人間が開けたような不自然な開き方だった。
そしてレトルトカレーの箱がボトンと私の足元まで飛ぶように落ちてきた。
山積みにしたような乱雑な置き方ではないから、食器棚を開いて何かが落ちる事はまずありません。
鏡に写る着物を見る前に感じたあの嫌な気配も一瞬感じた。
両親も寒気を感じたらしく、曾祖母はカレーを食べなさいって事かしら?と、
おとなしく食器棚から飛ぶように落ちてきたレトルトカレーを私は食べました。
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